井原西鶴と「江戸時代っぽさ」

【12/8(日)今朝の珈琲】
おはようございます。喫茶ふでまめです。
今朝は、当店オリジナルブレンドの「胸算用」を淹れました。
江戸時代の小説家・井原西鶴の作品『世間胸算用(せけんむなざんよう)』からとった名前です。
右上に写っているのは、妻の職場の上司がプレゼントしてくださった、和紙製のメッセージカード。
おかげさまで元気に過ごしております。
で、このメッセージカードの絵柄ですが、なんと井原西鶴のデビュー作『好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)』の主人公・世之介(よのすけ)のイラストが活版印刷されています。
西鶴好きの私としては、めちゃくちゃ嬉しかったです。
よけいに元気になりました。
ちなみにこのイラスト、女中さんの入浴シーンを覗き見しようと頑張る世之介の姿を描いています。
この時、世之介はまだ9歳。なかなかに早熟です。
『好色一代男』というタイトルからもなんとなくイメージがつくとおり、同作は世之介の「色」に対する飽くなき探究心を描いたコメディ小説。
同時に、源氏物語をはじめとする古典文学から着想を得て書かれたシーンも多く、教養と享楽の絶妙なバランス感覚にどハマりしてしまいます。
当時の町人たちの間でも爆発的に人気となり、「浮世草子」という文学ジャンルの始まりを告げる画期的な作品となりました。
現代では『好色一代男』もすっかり古典ですが、発表当初の衝撃はとんでもなかったのだろうなと思います。
商業出版が盛んになり文学のあり方が大きく変わる時代の転換点に、このようにブッ飛んだ作品が存在したことは、おおらかかつ現実主義な江戸時代の町人の価値観を表しているような気がして、私はとても心が惹かれます。
そうした江戸時代への憧れを反映した当店は、本日もお昼12時より、店主2名でお茶目に古風に営業いたします。
あったかいぜんざいもご用意しておりますので、お近くにお越しの際にはぜひ温まりにいらしてください。