コーヒー豆が長持ちする保存法は?冷凍と冷蔵の違いやオススメ容器を解説
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コーヒー豆の袋を、はじめて開けたときの匂い。
あれがだんだん薄くなっていくのが、豆の劣化であります。
保存のしかたを説明した記事はたくさんありますが、たいてい「1か月以内なら常温、それ以上なら冷凍」と、期間で切ってあります。
うちは、そう考えておりません。
容器で決めています。
京都・出町柳で日曜だけ店を開けております、自家焙煎の喫茶ふでまめと申します。店でお出しする豆も、お客さまにお渡しする豆も、すべて自分たちで焼いております。
その現場でどうしているかを、そのまま書きます。
◆
結論:缶なら常温、袋なら冷凍。冷蔵庫はやめておく
この記事の結論
密閉できる缶に入れているなら → 常温でよい。直射日光の当たらない涼しい場所へ。(当店の保存缶はこちら)
買ったときの袋のまま置くなら → 冷凍庫へ。使うぶんを出したら、すぐ戻す。
冷蔵庫は避ける。理由はニオイです。
飲み切る目安は、焙煎から2か月。
うちの店では、焼いた豆をぜんぶ保存缶で保管しています。店で使うぶんも同じです。常温です。冷蔵庫にも冷凍庫にも入れておりません。
缶をお持ちでない方には、アロマキープバッグという保存袋に入れてお渡ししています。こちらの場合は「冷凍してくださいね」とお伝えしています。
同じように焼いた豆なのに、お伝えすることが変わる。
違うのは、容器だけです。
◆
コーヒー豆をまずくする、4つの敵
コーヒー豆をまずくする4つの敵
豆の油が酸化する。開けっぱなしの袋がいちばん危ない
紫外線が劣化を早める。透明な瓶を明るい棚に置かない
コンロの横、炊飯器の上、日の当たる窓辺は避ける
豆は水分を吸う。結露も湿気のうち
保存とは、この4つをどう避けるかという話でしかありません
酸素。焙煎した豆は油を含んでいて、空気に触れると酸化します。袋の口を留めずに置いておくのが、いちばん惜しい。
光。紫外線が劣化を早めます。透明なガラス瓶に入れて明るい棚に並べるのは、見た目がよいぶん、豆にはつらい。
熱。台所のなかでも温かい場所は、意外にたくさんあります。温度が高いほど、香りが抜けるのが早くなります。
湿気。豆は水分を吸います。吸ってしまうと、香りではなく水を含んだ味になる。
逆に言えば、この4つを遠ざけられる置き場所なら、どこでもかまいません。
◆
コーヒー豆の保存で、冷蔵庫だけは避けてください
理由はひとつ。ニオイが移るからです。
冷蔵庫の中には、昨日のカレー、キムチ、切りかけの玉ねぎ、それに正体不明のタッパーが同居しております(お宅はいかがでしょう)。コーヒー豆は多孔質、つまり細かい穴だらけの構造で、まわりのニオイをよく吸います。
翌朝、玉ねぎの香りがするコーヒーができあがります。
これはもう、事故です。
もうひとつ、出し入れのたびに結露します。冷えた豆を室温に出すと、表面に水滴がつく。さきほどの「湿気」の話に戻ってしまいます。
冷やしたいなら、冷蔵ではなく冷凍。
これはあとで書きます。
◆
コーヒー豆の保存は、缶に入っているなら常温でかまわない
缶か、袋か。しまい方の分かれ道
焙煎ずみのコーヒー豆
▼
密閉できる容器に入っている?
▼
どちらの場合も、冷蔵庫は避ける
まわりの食品のニオイを吸い、出し入れのたびに結露するため
うちの店の豆も、そうしています。焼いたあと缶へ移して、棚に。冷やしません。
なぜ常温でいいかというと、缶が4つの敵のうち3つ(酸素・光・湿気)を、まとめて遠ざけてくれるからです。空気の出入りを抑え、光を通さず、湿気も入れない。残るのは「熱」だけで、これは置き場所で避けられます。避けるべきはコンロの横と窓辺。それだけ気をつけて、あとは普通の戸棚で大丈夫です。
冷凍と違って、出し入れで結露しないのも大きい。毎朝ふたを開けて、必要なぶんだけ出して、閉める。この気楽さは、続けやすさに直結します。
続かない保存方法は、正しくても意味がありません。
◆
袋のまま置くなら、小分けにして冷凍庫へ
袋は、缶ほど酸素と湿気を止められません。とくに何度も開け閉めする袋は、そのたびに空気が入ります。
そこで、温度で劣化を遅らせます。
袋の豆を冷凍する4ステップ
小分けにする
1回に使うぶん(1〜2杯なら20〜30g)ずつ袋へ
空気を抜く
押し出すか、ストローで吸い出してから閉じる
冷凍庫へ入れる
冷蔵室ではなく冷凍室。ニオイの強いものの隣は避ける
出したら、すぐ戻す
ここがいちばん大事。置きっぱなしにすると結露する
出した豆は、解凍せずそのまま挽いてかまいません
4番だけは、どうか守ってください。
出しっぱなしにすると、冷えた袋の表面に空気中の水分がつきます。結露です。それがそのまま豆に戻っていくと、湿気を吸わせるために冷凍したような話になってしまいます。
うちがお客さまにお伝えしているのも、この一点だけです。
「使うぶんを出したら、すぐ戻してくださいね」
なお、室温に戻すのを待っているあいだに結露しますので、待たずにそのまま挽いてしまってください。
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コーヒー豆の保存容器はどう選べばいいか|見るのは3点
見るところは、3つだけです。
- 光を通さないか
- 空気の出入りを止められるフタか(パッキン・バルブ・きっちり嵌まる内蓋など)
- ニオイがつかない素材か
| 素材 | 光 | 密閉のしかた | ニオイ移り | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| ブリキ・スチール缶 | 通さない | きっちり嵌まるフタ・内蓋 | しにくい | 昔から茶葉と珈琲が缶で売られてきた素材 |
| ホーロー | 通さない | パッキンまたはバルブ付き蓋 | しにくい | 丈夫で洗いやすい。少し重い |
| ガラス瓶 | 通す | パッキン付き蓋 | しにくい | 密閉は得意。暗い場所に置くこと |
| プラスチック | ものによる | パッキンまたはバルブ付き蓋 | しやすい | 軽くて安い。前に何を入れたかに注意 |
| 真空キャニスター | ものによる(透明な本体もある) | ポンプやバルブで空気を抜く | しにくい | 空気を抜けるのが強み。毎回ひと手間かかる |
ガラス瓶は、密閉もニオイ移りも優秀ですが、光を通します。中身が見えるのは楽しいのですが、置き場所を暗いところに限る必要があります。
プラスチックは軽くて安い。ただ、素材そのものにニオイがつきやすい。カレー粉を入れていた容器をコーヒーに転用するのは、やめておきましょう。洗っても、においは残ります。
真空にできるキャニスターは、酸素を物理的に抜けるのが強み。ただ、毎朝ポンプを押す手間が続くかどうか。ここは正直、人それぞれです。
とはいえ、店で実際に使っている缶がありますので、ご紹介させてください。
当店の商品
珈琲豆保存缶 〜ふでまめ謹製〜
小判サイズ(約50g入り)|1,080円(黒・白)
大判サイズ(約250g入り)|1,980円
フタは缶を両手で持ち、親指で押し上げるようにして開けます。しっかり密閉されるので、豆を長く新鮮な状態でキープすることができます。
この缶で珈琲豆をお求めいただくか、缶を持ってご来店いただくと、豆を常時1割増量しております。
▶ 小判サイズを見る(約50g入り・1,080円)
▶ 大判サイズを見る(約250g入り・1,980円)
▶ 一緒に珈琲豆を見る(深煎り中心・100gから)
紅茶の茶葉入れにも使えます。
ただし静電気が起きるため、抹茶のような細かい粒子には向きません(茶葉くらいの大きさなら大丈夫です)。
ほかの容器で探すなら
もちろん、うちの缶でなくてもかまいません。さきほどの3点を満たしていれば、どれでも働きます。
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100円ショップの容器でも大丈夫|見るのはフタと置き場所
100均や量販店の容器でも、選べば使えます。
見るところは、さきほどと同じです。
- 空気の出入りを止められるフタか(ここが最重要)
- 中身が見えないか、あるいは暗い場所に置けるか
- 前に何を入れていたか(ニオイ)
100円ショップのキャニスターには、フタがただ乗るだけで密閉できないタイプもあります。逆に、パッキンつきのものもきちんと売られています。売り場で確かめるのはそこだけです。
密閉のしくみがある容器なら、値段のわりにしっかり働きます。無印良品などで売られている、ホーローの本体にバルブ付きのフタを合わせるタイプは、遮光と密閉の両方を満たします。いっぽう、同じくバルブがついていても本体が透明なプラスチックのものは、密閉はできますが光は通ります。こちらは暗い場所に置いて補ってください。
高い容器を買わないと保存できない、ということはありません。
嵌まるフタと、暗いところ。それだけです。
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コーヒー豆の賞味期限はいつまで?うちは2か月です
「賞味期限」という言い方をすると、その日を過ぎたら飲めない、という話に聞こえます。そうではありません。
豆は腐りません。ただ、香りが抜けていきます。
うちがお客さまにお伝えしているのは、焙煎から2か月以内。密閉できる缶に入れて常温、という前提での目安です。
浅煎りと深煎りで変えてはおりません。深煎りのほうが油が多いぶん早く傷むのでは、と言われることもあるのですが、うちの豆で「はっきり違う」と感じたことは、正直ありません。
焼きたてがいちばんうまい、というわけでもない
もうひとつ、あまり書かれていない話をいたします。
うちは、焙煎してから最低2日おいてから提供しています。
焼いた直後の豆はガスをたくさん含んでいて、お湯を注ぐともこもこと膨らみます。見ていて楽しいのですが、ガスが多いあいだは味が安定しにくいと言われています。それで、少し寝かせてからお出ししています。
(ちなみに「焼きたての豆を密閉すると缶が膨らむ・弾ける」と言われることがあります。うちは焼きたてをそのまま缶に入れていますが、膨らんだことも弾けたことも、一度もありません。少なくとも、この店のやり方と量では)
ですので、焼きたてを手に入れた日が「いちばんおいしい日」とは限りません。
缶に入れたまま2日ほど寝かせてみるのも、悪くない過ごし方です(うちの豆は焙煎から2日以上おいてお渡ししていますので、その日から召し上がっていただけます)。
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粉で買った場合は、もっと急いでください
ここまで「豆」の話をしてきましたが、挽いた粉でお買いになった方もいらっしゃると思います。
粉は、豆より劣化がずっと早いです。
理由は単純で、空気に触れる面積がまるで違うからです。豆をひとつ割れば断面が2つ増えるだけですが、挽けば数えきれないほどの断面ができる。そのぶん、香りの出口も増えるということです。
やることは豆と同じ、容器で決めます。
- 密閉できる缶や容器に移す(袋のまま置かない)
- 飲み切るまでに時間がかかりそうなら、小分けにして冷凍
- 冷凍から出したら、そのまますぐ淹れる
目安の期間も、豆より短く見ておくのが安心です。豆で2か月なら、粉はその4分の1ほど、2週間を目安に考えておくとよいでしょう。
もし「毎回きちんとおいしく飲みたい」とお思いなら、いちばん効くのは保存の工夫ではなく、豆で買って淹れる直前に挽くことです。手挽きのミルなら数千円から手に入ります。
挽きたてで飲むために
◆
古くなったコーヒー豆は、こう見分けます
「これ、まだ飲めるのかな」という豆が戸棚の奥から出てくることがあります。判断はわりと簡単です。
香りが抜けた豆のサイン
1. お湯を注いでも膨らまない。新しい豆は炭酸ガスを含んでいるので、湯を落とすともこもこと盛り上がります。ぺたんと平らなままなら、ガスが抜けきっています。
2. 挽いたときに香りが立たない。挽いた瞬間がいちばん香る場面です。ここで静かなら、もう抜けています。
3. 古い油のにおいがする。深煎りの豆は新しくても表面に油が浮きますので、油そのものは目印になりません。においが「揚げ物の古い油」に近づいてきたら、酸化のサインです。
1つ当てはまるくらいなら、まだ飲めます。ただ、香りを期待するのはやめて、ミルクや砂糖と一緒にするほうが幸せかもしれません。
3つとも当てはまるなら、飲むより使うほうへ回しましょう。乾かして小皿に入れておけば、下駄箱や冷蔵庫の消臭剤になります。ニオイを吸う性質が、ここでようやく役に立ってくれるわけです(さっきは欠点として散々申し上げましたが)。
なお、淹れたあとの出がらしは、湿ったまま置いておくと虫が寄ってくると一般に言われています。消臭に使うなら、しっかり乾かしてから。捨てる場合も同じです。
◆
よくあるご質問
◆
豆の保存は、むずかしい技術の話ではありません。どの容器に入れて、どこに置くか。それだけの話です。
戸棚のいちばん取りやすいところに缶がひとつあると、朝の景色が少し変わります。
日曜日、出町柳でお待ち申し上げております。
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