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コーヒー豆が長持ちする保存法は?冷凍と冷蔵の違いやオススメ容器を解説

喫茶ふでまめ

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コーヒー豆の袋を、はじめて開けたときの匂い。
あれがだんだん薄くなっていくのが、豆の劣化であります。

保存のしかたを説明した記事はたくさんありますが、たいてい「1か月以内なら常温、それ以上なら冷凍」と、期間で切ってあります。

うちは、そう考えておりません。
容器で決めています。

京都・出町柳で日曜だけ店を開けております、自家焙煎の喫茶ふでまめと申します。店でお出しする豆も、お客さまにお渡しする豆も、すべて自分たちで焼いております。

その現場でどうしているかを、そのまま書きます。

結論:缶なら常温、袋なら冷凍。冷蔵庫はやめておく

この記事の結論

密閉できる缶に入れているなら → 常温でよい。直射日光の当たらない涼しい場所へ。(当店の保存缶はこちら

買ったときの袋のまま置くなら → 冷凍庫へ。使うぶんを出したら、すぐ戻す。

冷蔵庫は避ける。理由はニオイです。

飲み切る目安は、焙煎から2か月。

うちの店では、焼いた豆をぜんぶ保存缶で保管しています。店で使うぶんも同じです。常温です。冷蔵庫にも冷凍庫にも入れておりません。

缶をお持ちでない方には、アロマキープバッグという保存袋に入れてお渡ししています。こちらの場合は「冷凍してくださいね」とお伝えしています。

同じように焼いた豆なのに、お伝えすることが変わる。
違うのは、容器だけです。

コーヒー豆をまずくする、4つの敵

コーヒー豆をまずくする4つの敵

1 酸素

豆の油が酸化する。開けっぱなしの袋がいちばん危ない

2

紫外線が劣化を早める。透明な瓶を明るい棚に置かない

3

コンロの横、炊飯器の上、日の当たる窓辺は避ける

4 湿気

豆は水分を吸う。結露も湿気のうち

保存とは、この4つをどう避けるかという話でしかありません

酸素。焙煎した豆は油を含んでいて、空気に触れると酸化します。袋の口を留めずに置いておくのが、いちばん惜しい。

光。紫外線が劣化を早めます。透明なガラス瓶に入れて明るい棚に並べるのは、見た目がよいぶん、豆にはつらい。

熱。台所のなかでも温かい場所は、意外にたくさんあります。温度が高いほど、香りが抜けるのが早くなります。

湿気。豆は水分を吸います。吸ってしまうと、香りではなく水を含んだ味になる。

逆に言えば、この4つを遠ざけられる置き場所なら、どこでもかまいません。

コーヒー豆の保存で、冷蔵庫だけは避けてください

理由はひとつ。ニオイが移るからです。

冷蔵庫の中には、昨日のカレー、キムチ、切りかけの玉ねぎ、それに正体不明のタッパーが同居しております(お宅はいかがでしょう)。コーヒー豆は多孔質、つまり細かい穴だらけの構造で、まわりのニオイをよく吸います。

翌朝、玉ねぎの香りがするコーヒーができあがります。
これはもう、事故です。

お客様
冷蔵庫、涼しいから良さそうなのに、だめなんですか?
店主
温度だけ見れば、まったく正しいんです。ただ冷蔵庫は、冷たい戸棚ではなく食品の倉庫でして。豆がニオイを吸ってしまいます。

もうひとつ、出し入れのたびに結露します。冷えた豆を室温に出すと、表面に水滴がつく。さきほどの「湿気」の話に戻ってしまいます。

冷やしたいなら、冷蔵ではなく冷凍。
これはあとで書きます。

コーヒー豆の保存は、缶に入っているなら常温でかまわない

缶か、袋か。しまい方の分かれ道

焙煎ずみのコーヒー豆

密閉できる容器に入っている?

はい ── 缶に入っている

常温でよい

・直射日光の当たらない涼しい棚へ
・コンロの横と窓辺だけ避ける
・出し入れしても結露しない

いいえ ── 袋のまま

冷凍する

・1回分ずつ小分けにする
・空気を抜いて閉じる
・出したら、すぐ冷凍庫に戻す

どちらの場合も、冷蔵庫は避ける

まわりの食品のニオイを吸い、出し入れのたびに結露するため

うちの店の豆も、そうしています。焼いたあと缶へ移して、棚に。冷やしません。

なぜ常温でいいかというと、缶が4つの敵のうち3つ(酸素・光・湿気)を、まとめて遠ざけてくれるからです。空気の出入りを抑え、光を通さず、湿気も入れない。残るのは「熱」だけで、これは置き場所で避けられます。避けるべきはコンロの横と窓辺。それだけ気をつけて、あとは普通の戸棚で大丈夫です。

冷凍と違って、出し入れで結露しないのも大きい。毎朝ふたを開けて、必要なぶんだけ出して、閉める。この気楽さは、続けやすさに直結します。

続かない保存方法は、正しくても意味がありません。

袋のまま置くなら、小分けにして冷凍庫へ

袋は、缶ほど酸素と湿気を止められません。とくに何度も開け閉めする袋は、そのたびに空気が入ります。

そこで、温度で劣化を遅らせます。

袋の豆を冷凍する4ステップ

STEP 1

小分けにする

1回に使うぶん(1〜2杯なら20〜30g)ずつ袋へ

STEP 2

空気を抜く

押し出すか、ストローで吸い出してから閉じる

STEP 3

冷凍庫へ入れる

冷蔵室ではなく冷凍室。ニオイの強いものの隣は避ける

STEP 4

出したら、すぐ戻す

ここがいちばん大事。置きっぱなしにすると結露する

出した豆は、解凍せずそのまま挽いてかまいません

4番だけは、どうか守ってください。

出しっぱなしにすると、冷えた袋の表面に空気中の水分がつきます。結露です。それがそのまま豆に戻っていくと、湿気を吸わせるために冷凍したような話になってしまいます。

うちがお客さまにお伝えしているのも、この一点だけです。
「使うぶんを出したら、すぐ戻してくださいね」

なお、室温に戻すのを待っているあいだに結露しますので、待たずにそのまま挽いてしまってください。

小分け冷凍に使うもの

フリーザーバッグ(Amazonで見る)
小分け用のチャック付き袋(Amazonで見る)

厚手のもののほうが、においを通しにくく安心です。

コーヒー豆の保存容器はどう選べばいいか|見るのは3点

見るところは、3つだけです。

  1. 光を通さないか
  2. 空気の出入りを止められるフタか(パッキン・バルブ・きっちり嵌まる内蓋など)
  3. ニオイがつかない素材か
素材密閉のしかたニオイ移りひとこと
ブリキ・スチール缶通さないきっちり嵌まるフタ・内蓋しにくい昔から茶葉と珈琲が缶で売られてきた素材
ホーロー通さないパッキンまたはバルブ付き蓋しにくい丈夫で洗いやすい。少し重い
ガラス瓶通すパッキン付き蓋しにくい密閉は得意。暗い場所に置くこと
プラスチックものによるパッキンまたはバルブ付き蓋しやすい軽くて安い。前に何を入れたかに注意
真空キャニスターものによる(透明な本体もある)ポンプやバルブで空気を抜くしにくい空気を抜けるのが強み。毎回ひと手間かかる

ガラス瓶は、密閉もニオイ移りも優秀ですが、光を通します。中身が見えるのは楽しいのですが、置き場所を暗いところに限る必要があります。

プラスチックは軽くて安い。ただ、素材そのものにニオイがつきやすい。カレー粉を入れていた容器をコーヒーに転用するのは、やめておきましょう。洗っても、においは残ります。

真空にできるキャニスターは、酸素を物理的に抜けるのが強み。ただ、毎朝ポンプを押す手間が続くかどうか。ここは正直、人それぞれです。

とはいえ、店で実際に使っている缶がありますので、ご紹介させてください。

当店の商品

珈琲豆保存缶 〜ふでまめ謹製〜

小判サイズ(約50g入り)|1,080円(黒・白)
大判サイズ(約250g入り)|1,980円

フタは缶を両手で持ち、親指で押し上げるようにして開けます。しっかり密閉されるので、豆を長く新鮮な状態でキープすることができます。

この缶で珈琲豆をお求めいただくか、缶を持ってご来店いただくと、豆を常時1割増量しております。

▶ 小判サイズを見る(約50g入り・1,080円)
▶ 大判サイズを見る(約250g入り・1,980円)
▶ 一緒に珈琲豆を見る(深煎り中心・100gから)

紅茶の茶葉入れにも使えます。
ただし静電気が起きるため、抹茶のような細かい粒子には向きません(茶葉くらいの大きさなら大丈夫です)。

ほかの容器で探すなら

もちろん、うちの缶でなくてもかまいません。さきほどの3点を満たしていれば、どれでも働きます。

100円ショップの容器でも大丈夫|見るのはフタと置き場所

100均や量販店の容器でも、選べば使えます

見るところは、さきほどと同じです。

  • 空気の出入りを止められるフタか(ここが最重要)
  • 中身が見えないか、あるいは暗い場所に置けるか
  • 前に何を入れていたか(ニオイ)

100円ショップのキャニスターには、フタがただ乗るだけで密閉できないタイプもあります。逆に、パッキンつきのものもきちんと売られています。売り場で確かめるのはそこだけです。

密閉のしくみがある容器なら、値段のわりにしっかり働きます。無印良品などで売られている、ホーローの本体にバルブ付きのフタを合わせるタイプは、遮光と密閉の両方を満たします。いっぽう、同じくバルブがついていても本体が透明なプラスチックのものは、密閉はできますが光は通ります。こちらは暗い場所に置いて補ってください。

高い容器を買わないと保存できない、ということはありません。
嵌まるフタと、暗いところ。それだけです。

コーヒー豆の賞味期限はいつまで?うちは2か月です

「賞味期限」という言い方をすると、その日を過ぎたら飲めない、という話に聞こえます。そうではありません。

豆は腐りません。ただ、香りが抜けていきます。

うちがお客さまにお伝えしているのは、焙煎から2か月以内。密閉できる缶に入れて常温、という前提での目安です。

浅煎りと深煎りで変えてはおりません。深煎りのほうが油が多いぶん早く傷むのでは、と言われることもあるのですが、うちの豆で「はっきり違う」と感じたことは、正直ありません。

焼きたてがいちばんうまい、というわけでもない

もうひとつ、あまり書かれていない話をいたします。

うちは、焙煎してから最低2日おいてから提供しています。

焼いた直後の豆はガスをたくさん含んでいて、お湯を注ぐともこもこと膨らみます。見ていて楽しいのですが、ガスが多いあいだは味が安定しにくいと言われています。それで、少し寝かせてからお出ししています。

(ちなみに「焼きたての豆を密閉すると缶が膨らむ・弾ける」と言われることがあります。うちは焼きたてをそのまま缶に入れていますが、膨らんだことも弾けたことも、一度もありません。少なくとも、この店のやり方と量では)

ですので、焼きたてを手に入れた日が「いちばんおいしい日」とは限りません。
缶に入れたまま2日ほど寝かせてみるのも、悪くない過ごし方です(うちの豆は焙煎から2日以上おいてお渡ししていますので、その日から召し上がっていただけます)。

粉で買った場合は、もっと急いでください

ここまで「豆」の話をしてきましたが、挽いた粉でお買いになった方もいらっしゃると思います。

粉は、豆より劣化がずっと早いです。

理由は単純で、空気に触れる面積がまるで違うからです。豆をひとつ割れば断面が2つ増えるだけですが、挽けば数えきれないほどの断面ができる。そのぶん、香りの出口も増えるということです。

やることは豆と同じ、容器で決めます。

  • 密閉できる缶や容器に移す(袋のまま置かない)
  • 飲み切るまでに時間がかかりそうなら、小分けにして冷凍
  • 冷凍から出したら、そのまますぐ淹れる

目安の期間も、豆より短く見ておくのが安心です。豆で2か月なら、粉はその4分の1ほど、2週間を目安に考えておくとよいでしょう。

もし「毎回きちんとおいしく飲みたい」とお思いなら、いちばん効くのは保存の工夫ではなく、豆で買って淹れる直前に挽くことです。手挽きのミルなら数千円から手に入ります。

挽きたてで飲むために

手動コーヒーミル(Amazonで見る)

古くなったコーヒー豆は、こう見分けます

「これ、まだ飲めるのかな」という豆が戸棚の奥から出てくることがあります。判断はわりと簡単です。

香りが抜けた豆のサイン

1. お湯を注いでも膨らまない。新しい豆は炭酸ガスを含んでいるので、湯を落とすともこもこと盛り上がります。ぺたんと平らなままなら、ガスが抜けきっています。

2. 挽いたときに香りが立たない。挽いた瞬間がいちばん香る場面です。ここで静かなら、もう抜けています。

3. 古い油のにおいがする。深煎りの豆は新しくても表面に油が浮きますので、油そのものは目印になりません。においが「揚げ物の古い油」に近づいてきたら、酸化のサインです。

1つ当てはまるくらいなら、まだ飲めます。ただ、香りを期待するのはやめて、ミルクや砂糖と一緒にするほうが幸せかもしれません。

3つとも当てはまるなら、飲むより使うほうへ回しましょう。乾かして小皿に入れておけば、下駄箱や冷蔵庫の消臭剤になります。ニオイを吸う性質が、ここでようやく役に立ってくれるわけです(さっきは欠点として散々申し上げましたが)。

なお、淹れたあとの出がらしは、湿ったまま置いておくと虫が寄ってくると一般に言われています。消臭に使うなら、しっかり乾かしてから。捨てる場合も同じです。

よくあるご質問

お客様
コーヒー豆は冷蔵と冷凍、どちらで保管するのがいいですか?
店主
どちらかなら冷凍です。冷蔵はニオイ移りと結露で損をします。私の場合は、そもそも冷やさず、缶に入れて常温に置いています。
お客様
コーヒーは豆と粉、どちらの状態で保存したほうがいいですか?
店主
豆です。粉は空気に触れる面積が段違いで、香りが抜けるのが早い。うちがお渡ししているのも、豆のままです。粉でお買いになったなら、より急いで飲んでください。
お客様
開けた袋を、クリップで留めるだけでもいいですか?
店主
私の場合は缶に移してしまいますが、早めに飲み切るなら、空気をよく押し出してから留めれば足ります。時間がかかりそうなら、缶に移すか冷凍へ。
お客様
焙煎したての豆を密閉すると、容器が膨らみませんか?
店主
うちの缶では起きたことがありません。焼きたてをそのまま入れています。完全に真空にする容器でどうなるかは、正直わかりません。

豆の保存は、むずかしい技術の話ではありません。どの容器に入れて、どこに置くか。それだけの話です。

戸棚のいちばん取りやすいところに缶がひとつあると、朝の景色が少し変わります。

日曜日、出町柳でお待ち申し上げております。

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当店について
喫茶ふでまめ
喫茶ふでまめ
珈琲と手しごとの店
京都市左京区・出町柳駅付近にある「リバーサイドカフェ」内にて日曜の昼だけ営業する、江戸っぽくてお茶目な自家焙煎珈琲の喫茶店です。

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