初心者でもわかる!コーヒーの種類・味の違い・選び方ガイド
「カフェラテとカプチーノ、何が違うんだろう?」
「浅煎りってどんな味?苦いのかな…?」
そんなふうに、コーヒーのメニューや豆選びに迷ったことはありませんか?
コーヒーは身近な存在ですが、その世界は想像以上に広く、深いもの。
この記事では、喫茶店ビギナーや「最近コーヒーにハマりだした」という方に向けて、基本の種類から選び方まで、やさしくご案内します。
私(喫茶ふでまめ店主)も、コーヒーにハマったのは社会人になってから。
当初は「眠気を覚ますために、とりあえずカフェインが入ってればOK」という状態でしたが、次第に「種類ごとの違いを楽しめるようになりたいな」と思うようになりました。
いろんな店の人に話を聞いたり、本を買って調べたりするうちに、少しずつ知識がついてきて、「今はこのコーヒーが飲みたいな」と選べるようになっています。
「この味、好きだ!!」と感じられる一杯を見つけたときの感動を、あなたにも体験してほしい。
そんな思いを込めて、この記事を書いています。
ぜひ気になる部分からお読みください。
コーヒー豆の種類と産地の特徴
コーヒー豆の味は、品種と銘柄(産地)で大きく変わります。
主な品種
- アラビカ種:香りがよく酸味があり、全体的にやわらかい味。コーヒー屋さんで提供されているのは、ほぼこの品種。
- カネフォラ種(ロブスタ):苦味が強く、力強い味わい。エスプレッソ用に使われるほか、インスタントコーヒーにもよく使われています。
- リベリカ種:希少でクセが強く、個性派な味。現在では、フィリピンやマレーシアといった限られた地域で生産されています。
アラビカ種には、以下のように様々な銘柄があります。
主な銘柄・産地と味の違い
コーヒーは基本的に、原産国名で呼ばれることが多いです。
しかし、キリマンジャロやブルーマウンテンのように、銘柄で呼ばれることが多いケースもあります。
おすすめのペアリングは、あくまでも一例です。
その日の気分によっても、けっこう変わります。
| 銘柄/原産国 | 特徴 | おすすめのペアリング |
| キリマンジャロ | タンザニア産。キレのある酸味と深いコク、ほんのり甘い香りが特徴。“野生的”とも表現される力強い味わい。 | レモンケーキ、ドライフルーツのタルト |
| ブルーマウンテン | ジャマイカ原産。香り・酸味・苦味のバランスが秀逸で、滑らかな口当たり。まさに“王者の風格”。 | バターサブレ、スフレチーズケーキ |
| モカ | イエメン・エチオピア産。フルーツのような酸味と甘み、芳醇な香りと豊かなコクを持つ。 | ベリー系のパウンドケーキ、いちじくのコンポート |
| コナ | ハワイ島産。明るい酸味と甘い香りが特徴。希少性も高く、“世界三大コーヒー”のひとつとも称される。 | パイナップルケーキ、ココナッツクッキー |
| イルガチェフェ | エチオピア・シダモ地方の名産。ジャスミンのような香りと鮮やかな酸味が特徴。華やかな浅煎りで人気。 | レモンタルト、ホワイトチョコとクランベリーのビスコッティ |
| ゲイシャ | 原産はエチオピアだが、パナマ産が有名。フローラルで繊細な香りと紅茶のような優雅な味わい。 | ローズクッキー、はちみつ入りフルーツゼリー |
| ブラジル | 世界最大の生産国。酸味と苦味がバランス良く、万人に好まれるやさしい味。ブレンドのベースにも最適。 | シンプルなカステラ、ミルクチョコレート |
| コスタリカ | みずみずしい酸味とマイルドなコクが調和。スペシャルティコーヒーの評価も高い。 | アップルパイ、キャラメルラスク |
| グアテマラ | 高地栽培。フレッシュな酸味と華やかな香り、赤ワインのようなコクが魅力。 | シナモンロール、ドライオレンジ入りのチョコ菓子 |
| コロンビア | ナチュラルな甘さと重量感のあるボディ、ほどよいフルーティー感が調和。バランス型で飲みやすい。 | キャラメルフィナンシェ、りんごのタルト |
| マンデリン | インドネシア産。強い苦味と重厚なコクが特徴。ハーブやスパイスを感じる余韻が印象的。 | ビターショコラ、ナッツ入りスコーン |
| パプアニューギニア | 軽やかな酸味とまろやかな甘み、やさしい口あたりが魅力。香りは華やかだがクセが少なく親しみやすい。 | アプリコットのパウンドケーキ、白ごまクッキー |
| ペルー | 標高の高い地域で育つ豆。すっきりした酸味とやわらかな甘さが特徴で、後味がクリーン。オーガニック栽培も多い。 | はちみつバタートースト、素朴な米粉クッキー |
| インド | モンスーンの影響を受けた独特の風味とコク。スモーキーでスパイス感のある味わい。 | チャイ風スパイスケーキ、黒糖入りバナナブレッド |
| タイ | アジアで注目される産地。ナッツ感やチョコレートのような甘み、軽やかな苦味のバランスが魅力。 | ほうじ茶プリン、塩キャラメルサブレ |
また、複数銘柄の豆をミックスしたものを「ブレンドコーヒー」と呼びます。
店ごとの個性が出やすく、酸味・苦味・コクの調整幅が広いのが特徴です。
当店の人気No.1も、「鳥獣戯画ブレンド」というブレンドコーヒーです。
エチオピア産・パプアニューギニア産・グアテマラ産の3種類の豆を使っています。
華やかな香りと、賑やかな味わいが楽しい一杯です。
焙煎と挽き方の違いと特徴
焙煎(ロースト)や挽き方でも、コーヒーの味は大きく変わります。
焙煎度合い
| 焙煎度(ロースト名) | 豆の色 | 味の特徴 | 相性のよい銘柄(例) |
| ライトロースト(超浅煎り) | ごく淡いベージュ | 酸味が強く、香り・コクともに弱め。生豆の青っぽさが残る。 | ※一般的に、飲用には不向きとされています |
| シナモンロースト(浅煎り) | シナモン色 | フルーティーな酸味が主役。香りは華やかで、軽く繊細な味わい。 | イルガチェフェ、ゲイシャ、モカ |
| ミディアムロースト(中浅煎り) | ミルクチョコ色 | 酸味と香りのバランスが良く、スッキリ軽やかな飲み口。アメリカンコーヒー向き。 | モカ、ペルー産、パプアニューギニア産 |
| ハイロースト(中煎り) | 標準的なブラウン色 | 酸味と苦味のバランスが取れた「定番の味」。喫茶店や家庭用に多い焙煎度。 | ブラジル産、グアテマラ産、コロンビア産、パプアニューギニア産 |
| シティロースト(中深煎り) | 濃いブラウン色 | 苦味が出始め、コクが増す。酸味は控えめになり、香ばしさが強調される。 | キリマンジャロ、グアテマラ産、コロンビア産 |
| フルシティロースト(深煎り) | ダークブラウン | 苦味とコクが際立つ。ほぼ酸味はなく、ボディ感が強くしっかりした味。 | マンデリン、インド産、タイ産 |
| フレンチロースト(極深煎り) | 黒に近い焦げ茶色 | スモーキーで濃厚な苦味。ミルクとの相性抜群で、アレンジドリンクに向く。 | インド産、マンデリン |
| イタリアンロースト(最深煎り) | 黒くツヤのある外観 | 苦味が極まり、重厚でパンチのある味。酸味はゼロ。エスプレッソやラテ向け。 | コロンビア産、マンデリン |
補足ポイント:
- 「浅煎り」ほど酸味と香りが主役、「深煎り」ほど苦味とコクが主役になります。
- 同じ銘柄でも焙煎によってまったく印象が変わるため、焙煎度 × 銘柄の組み合わせで楽しみ方が無限に広がります。
- 店頭や通販サイトで焙煎度を表示することで、初心者にも選びやすくなります。
挽き方
| 挽き方 | 粒の大きさイメージ | 適した抽出方法 | 補足・特徴 |
| 粗挽き | グラニュー糖~ザラメ程度 | フレンチプレス、水出しコーヒー | 抽出時間が長い方法に向く。すっきりとした味になりやすく、雑味が出にくい。 |
| 中挽き | 砂糖程度(やや細かめ) | ペーパードリップ、サイフォン | 最も一般的な挽き方。味のバランスが良く、酸味・苦味ともに感じやすい。 |
| 細挽き | 小麦粉よりやや粗い程度 | エスプレッソ、エアロプレス(短時間抽出) | 表面積が多いため苦味が立ちやすく、強い風味や濃さを出したいときに向く。 |
【番外編】コーヒーメニューの種類と違い
カフェや喫茶店のメニューを見ると、なんだかいろんなカタカナが並んでいますよね。
大まかに以下のような認識をもっていただくと、イメージがつかめると思います。
| メニュー名 | 特徴 |
| ・ホットコーヒー・ドリップコーヒー | 通常のコーヒーです。ひとくちに「ホットコーヒー」と言っても、お店によって様々な抽出方法があります。 |
| アメリカン | 通常のコーヒーより薄め。すっきりと飲みやすい味わいです。 |
| エスプレッソ | 濃厚で香り高く、少量で楽しみます。カフェインも多め。 |
| カプチーノ | エスプレッソに、泡立てたミルクを加えたもの。カフェラテよりミルク感が軽い。 |
| カフェラテ | カプチーノよりもさらにたっぷりとミルクを加えたもの。まろやかでやさしい味です。 |
| カフェモカ | カフェラテにチョコを加えた甘口系。スイーツ感覚で楽しめる。 |
自宅での淹れ方とおすすめ器具
初心者にもやさしい器具を紹介します。
- ペーパードリップ:味が安定しやすく、準備もカンタン。迷ったらこれ。
- フレンチプレス:コーヒーオイルも抽出されて、まろやかな味に。
- サイフォン:見た目が楽しく、香りがぐっと立ちます。割ってしまわないよう注意。
- エスプレッソマシン:本格派向け。濃い味が好きな人に。
- モカポット:エスプレッソに似た、濃いコーヒーを抽出できます。見た目も可愛い。
ペーパードリップでの詳しい淹れ方は、以下の記事で詳しく解説しています!
喫茶店が直伝!家で美味しいコーヒーを淹れる方法とおすすめアイテム
自分にぴったりのコーヒーを選ぶには?
「どれを選んだらいいか分からない・・・」という方は、以下の表を参考にして選んでみてください。
① 味の好み(酸味・苦味・香り)
| 好み | おすすめの焙煎・豆例 |
| フルーティー/酸味が好き | 浅煎り × エチオピア産・ケニア産など(アラビカ種) |
| 苦味・コクが好き | 深煎り × ブラジル産・インドネシア産など |
| 柔らかく、バランスがよい味が好き | 中煎り × コロンビア産・グアテマラ産など |
② 飲むシーン(時間・気分)
| シーン | 合うコーヒー |
| 朝の目覚めに | しっかり苦みを感じる目覚めの一杯→深煎りのホットコーヒー |
| リラックスしたい夜 | カフェイン控えめ →デカフェワインのように香りを楽しむ →浅煎りのコーヒー(アイスコーヒーにしてワイングラス飲むのも◎です) |
| 仕事や勉強のお供に | バランスの取れた味わいで集中力アップ →中煎り |
| 食後や甘いものと楽しみたい | 苦味が際立つ →深煎り、カフェラテ or エスプレッソ |
コーヒー選びは「正解」より「発見」を楽しもう
まぁ色々と書きましたが、コーヒーの選び方に「絶対の正解」はありません。
その日の気分や天気、ペアリングなど、様々な要素が影響して、「おいしい!」と感じるものが変わるのが、コーヒーの面白いところだと思います。
喫茶ふでまめでは、私自身が感じていた「コーヒーって色々種類がありすぎて、よくわからない・・・」という気持ちに寄り添いつつ、あなたにぴったりの一杯を見つけるお手伝いをしています。
京都にお住まいの方は、ぜひ一度当店に遊びにいらしてください。
色々お話しながら、あなたにぴったりのコーヒーを一緒に選びましょう。

遠方にお住まいの方や、予定が合わないという方は、InstagramのDMやお問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご質問ください。
